歯科クリーニングとスケーリングの違いって?プロが教える歯を守るケア方法
2024/12/20
こんにちは、武蔵中原の歯医者、中林デンタルケアークリニックです。
歯や歯ぐきの健康を維持するためには、日々の歯磨きとともに、歯科医院での定期的なクリーニングやスケーリングが欠かせません。
しかし、中には「クリーニングとスケーリングって何が違うんだろう」「いつもしてもらっているクリーニングの種類がわからない」という方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、クリーニングやスケーリングの定義、その具体的な手法や特徴、それぞれが適する人や費用について紹介します。
歯のクリーニングとは
歯のクリーニングとは、歯の汚れや歯垢、そして歯石を取り除くための口腔ケアです。
歯の表面を清掃することで、虫歯や歯周病といった疾患のリスクを低下させるとともに、口臭の解消や見た目の清潔感アップも期待できます。
一般的に歯科医院で「クリーニング」といえば、歯面清掃による歯垢・歯石の除去やフロッシングによる歯と歯の間の汚れの除去などを指します。
これらは、それぞれスケーリングやフロッシングなどと個別に呼ばれる場合もあります。
また、エアフローやPMTCなどもクリーニングの一種です。
歯科で行うクリーニングの種類
スケーリング
スケーリングは、歯の表面に付着した歯垢や歯石を取り除くものであり、歯科で行う基本的なクリーニングです。
使用される器具には手用スケーラーと超音波振動を利用した超音波スケーラーがあります。
手用スケーラーは歯科医師または歯科衛生士が手作業で歯石を削り取るもので、特に細部の汚れを取るのに適しています。
超音波スケーラーは超音波振動を利用することで効率よく歯石を除去でき、痛みも少ないためさまざまな歯科医院で使用されています。
スケーリングの目安時間は15分~30分程度となっています。
SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
SRPはスケーリングに加えて歯根の表面に付着した歯石を取り除く「ルートプレーニング」が行われる処置です。
歯周ポケット内に蓄積された歯石や歯垢を除去し、歯根の表面を滑らかに整えるクリーニングのため、歯周病の進行予防の一つとして知られています。
SRPは保険が適用される処置ですが、保険適用で行う場合は一度に処置できる本数に制限があるため、4回~6日に分けて行われるのが基本です。
PMTC(プロフェッショナルメカニカル・トゥース・クリーニング)
PMTCは、歯科医師や歯科衛生士による機器を利用した歯面清掃です。
歯ブラシでは磨ききることのできない歯間や歯面の汚れを細かい部分までしっかりと除去します。
予防を目的に行われる処置のため、虫歯や歯周病のリスクを感じている方はもちろん、口元の美しさを保つために利用する方もいます。
施術時間は30分から60分程度となっており、歯科医院によって使用する器具や含まれる施術内容に違いがあります。
エアフロー
エアフローは、特殊な微細パウダーと水のジェット噴射を利用して歯の表面を清掃する手法です。
タバコのヤニや食べ物による色素沈着の除去が期待でき、口元の美しさを維持したい方に適しています。
また、使用するものは細かいパウダーと水のため、歯を傷つける心配が少なく、「器具が歯ぐきにあたって痛い」といった患者さんの負担が少ないというメリットがあります。
エアフローはPMTC同様に自由診療です。
ジェットクリーニング
ジェットクリーニングは、基本的にエアフローと同様の処置内容を指しています。
微細パウダーと水圧を利用して、歯の表面や歯間の隅々までクリーニングする処置のことであり、歯科医院や使用する機械に合わせて「エアフロー」「ジェットクリーニング」などと異なった呼び名で呼ばれています。
フロッシング
フロッシングは、歯と歯の間に溜まった食べ物の残りや歯垢をデンタルフロスを使って取り除く方法です。
糸巻きタイプのフロスで行われることが多く、ほかのクリーニングを行う際に併用されることが多くあります。
クリーニングの前後に行う処置
クリーニングを行う際には、その作用をできるだけ長持ちさせ、口内環境の改善を図るために、前後にいくつかの処置が行われることがあります。
まず行われるのは、歯や歯ぐきの検査です。
歯科医師が視診や触診、必要に応じてレントゲン撮影を行うことで、隠れた虫歯や歯周病のリスクを早期に発見します。
このような検査をクリーニング前に行うことで、その時点での口腔内の状態に応じたクリーニング方法が選びやすくなるというメリットもあります。
クリーニング後には、フッ素塗布が行われることがあります。フッ素は歯のエナメル質を強化し、再石灰化を促進する作用があるため、虫歯の予防が期待できます。虫歯になりやすい方やお子さんに対してよく行われる処置です。
また、口腔内の状態や患者さんの希望によっては、ブラッシング指導もクリーニングの一環として行われることがあります。
ブラッシング指導では、歯科医師や歯科衛生士が患者さんの歯磨きの方法や流れを確認し、より良い歯磨き方法や歯ブラシの選び方、補助器具の使用法などをアドバイスします。
お悩み別のクリーニング方法
歯周病が気になる方
歯周病が気になる方が定期的に受けておきたいのが、SRPです。
歯周病では、たまった歯垢や歯石などによって歯ぐきが炎症を起こし、歯周ポケットが深くなっていきます。
歯周ポケット内の汚れは日常的なケアですべてを取り除くことは難しいため、SRPにより歯周ポケット内の歯石や歯垢を除去することで歯ぐきの健康を維持しやすくなります。
歯の着色が気になる方
歯の着色が気になるという方には、エアフローやジェットクリーニングが適しています。
これらの方法は、歯の表面に付着したタバコのヤニや食事による着色の除去が期待でき、定期的にこれらのクリーニングを行うことで、歯の美しさを長く保ちやすくなります。
もし、歯本来の色以上の白さを目指したいという場合には、オフィスホワイトニングやホームホワイトニングなどが適しています。
クリーニング費用の相場
保険が適用される場合のスケーリングの費用は、3,000円前後が目安となっています。
SRPは、保険適用で3,000円から4,000円ほどが目安です。フロッシングについては、基本的にほかのクリーニング方法と組み合わせて行われるため、単体で費用が発生することはあまりありません。
エアフローやジェットクリーニングは自由診療のため歯科医院によって価格は異なりますが、相場は4,000〜10,000円程度です。
まとめ
歯科医院で行われるクリーニングにはいくつかの種類があり、口内の状態やお悩みに合わせて選ぶことで、健康で美しい歯を維持しやすくなります。
定期的に専門的なケアを受けることはもちろん、丁寧なセルフケアを日常に組み込むことで、お口の健康を維持していきましょう。
中林デンタルケアークリニック:https://naka-dent.com/
〒211-0041 神奈川県川崎市中原区下小田中1-20-7
電話:044-766-0970
交通アクセス
電車でお越しの方:武蔵中原駅より徒歩5分
お車でお越しの方:無料駐車場有