40代男性 歯ぐきのできもの「フィステル」を根の内部の感染を取り除いて消失させた症例

   

治療前

治療前 治療前 治療前

治療後

治療後 治療後 治療後
相談内容 「以前、右下の歯に痛みが出てなかなかおさまらなかった。今は大丈夫だが気になるので診てほしい」とご相談いただきました。
1年前に他院に通院されていましたが、転勤で治療が中断してしまった患者様です。
カウンセリング・診断結果 お口の中を拝見したところ、患者様が気にされていた右下の奥歯(第1大臼歯/6番)の歯ぐきには、できもの「フィステル」が生じ、大きく膨れていました。フィステルは、歯の根が感染してうみが溜まった袋で、歯ぐきの表面にある小さな穴からうみが出てくることもあります。

右下の奥歯は歯と歯ぐきの境目の溝「歯周ポケット」が特に深く、また下の歯10本(右第2小臼歯/5番~左第2小臼歯)には、歯と歯ぐきの境目に細菌のかたまり「プラーク」とプラークが唾液の成分で固まった「歯石」が付着し、歯周ポケット内に付着する歯石「歯肉縁下歯石」も確認できました。

これらが原因で歯周ポケットと歯ぐきには出血が見られ、フィステルのある奥歯だけでなく歯ぐき全体も腫れていました。
行った治療内容 右下奥歯の大きく膨れたフィステルを解消するために、根の内部の細菌やうみを取り除いてきれいに清掃する「感染根管治療」を行う必要があることをお伝えしました。

また、プラークや歯石をそのままにしておくと、歯の周りの組織が炎症を起こす「歯周病」の原因になります。 歯石はご自宅での歯磨きでは落としにくいので歯科医院でしっかり取り除き、歯ぐきの腫れや出血を改善する歯周病治療もあわせて提案し、同意いただきました。

まずは、歯ぐきの上に見えているプラークや歯石を取るクリーニングを行い、患者様ご自身で磨き残しなくケアできるよう歯磨き指導を行っています。

約1週間後、歯ぐきからの出血や腫れが改善されているのを確認できたため、歯肉縁下歯石を除去して根の表面をツルツルにする処置「SRP(スケーリング・ルートプレーニング)」を始めました。 SRPは、麻酔で痛みを緩和しながら専用器具を歯周ポケット内に挿入し、お口全体を4ブロックに分けて1ブロックずつ処置しました。

クリーニング、SRPと並行して、感染根管治療も行ってフィステルの消失に努めています。
治療期間 約3ヶ月
費用 保険診療内
術後の経過と現在の
様子
SRPが終わった後も感染根管治療のために通院していただいたため、歯ぐきにできていたフィステルはすっかり無くなり、歯ぐきの状態も良くなりました。

歯周病治療から1ヶ月後に歯ぐきの状態を確認する再評価を行ったところ、最初の来院時よりも出血、腫れが治まりました。

このまま安定した状態を維持するため、定期的な検診とセルフケアで歯周病予防を継続していただきます。
治療のリスクについて ・歯を覆っている状態の歯石を除去すると、除去前と比較して歯が痩せたように見える場合があります
・処置後は歯ぐきが引き締まるため、歯の根元がしみる「知覚過敏(ちかくかびん)」が起きる場合があります
・歯石の量が多い場合、歯石除去後に歯の表面が過敏になり一時的に知覚過敏の症状が出ることがあります
・治療後の十分なセルフケアやメンテナンスを怠ると、歯ぐきの炎症が再発・進行する可能性があります
・まれに根管治療後も再治療、外科手術、抜歯などの処置が必要となる場合があります
・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります


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