喫煙は口内にどんな悪影響を及ぼす?たばこと歯科治療の関係性を解説

      2025/10/20

武蔵中原の歯医者、中林デンタルケアークリニックで喫煙は口内にどんな悪影響を及ぼすかについての解説

こんにちは、武蔵中原の歯医者、中林デンタルケアークリニックです。

たばこが、肺がんや心筋梗塞、脳梗塞、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などのリスクを高めることは、多くの方が知っていることかと思います。
では、たばこの口内への影響については、考えたことがあるでしょうか。

たばこは口内環境を悪化させ、歯や歯ぐきへダメージを与えるほか、歯科治療においても多くのリスク要因となります。
今回は、喫煙が与える口内への悪影響や歯科治療との関係について解説します。

 

たばこと歯周病

武蔵中原の歯医者、中林デンタルケアークリニックで喫煙は口内にどんな悪影響を及ぼすかについての解説

たばこに含まれる一酸化炭素は身体の酸素不足を引き起こし、ニコチンには血管を収縮させる作用があるため、喫煙は歯ぐきの血流を悪化させるリスクがあります。
血流の悪化は、歯周組織への栄養や酸素の供給不足、それによる抵抗力の低下、ひいては歯周病の発症リスクにつながります。
加えて、血流の悪化により歯ぐきの修復機能が低下するため、歯周病の治りも遅くなります。
さらに、歯周組織の血流が悪化して歯ぐきからの出血が少なくなることで、歯周病の発症や進行に気づきにくくなるというリスクもあります。

 

たばこと根管治療

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たばこに含まれるニコチンは毛細血管を収縮させる作用があるため、抜歯や切開といった外科的な処置を受けた後の傷の治りが悪くなる恐れがあります。
また、治癒までの時間が長くなることで、細菌感染のリスクが高くなることも喫煙のリスクです。

 

たばこと親知らずの抜歯

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私たちの身体には自然治癒力が備わっているため、安静にしていれば抜歯後の傷は徐々に治っていきます。
しかし、たばこを吸うとニコチンの影響で血管が収縮し、血液供給が滞ります。
その結果、傷の治癒が遅れるというリスクがあります。

また、身体は抜歯後の傷口を「血餅(けっぺい)」と呼ばれる血液の塊で覆うことで、患部を保護しながら再生を促します。
しかし、喫煙によって血液供給が滞ると、血餅の形成が阻害され傷が開いた状態が続くことで、細菌感染のリスクが高まります。
さらに、処方された痛み止めや化膿止めの作用も、たばこによって弱まることがあります。

 

たばことインプラント

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インプラントと骨が結合しにくくなる
インプラント治療は、あごの骨とインプラントとがしっかりと結合することで歯の機能を補う治療法です。
しかし、たばこを日常的に吸っている方や、術後に吸ってしまった方の場合、たばこに含まれるニコチンが免疫力を低下させ血流を悪化させることで、患部の回復に必要な血液や酸素が十分に行き届かず、インプラントとあごの骨が結合しにくくなることがあります。

インプラント周囲炎のリスクを高める
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の歯ぐきが炎症を起こし、インプラントを支えているあごの骨を溶かしてしまう病気です。
喫煙習慣がある方は、ニコチンの影響で血流が悪化し免疫力が低下しやすいため、細菌が増殖しやすく、このインプラント周囲炎の発症リスクが高いという特徴があります。

唾液の分泌量を低下させる
ニコチンは免疫力の低下や血流の悪化を引き起こすだけでなく、唾液の分泌量も低下させます。
唾液には、口内を潤し細菌の増殖を抑える作用や、口内の汚れを洗い流す作用があります。
そのため、唾液の分泌量が減少すると、口内で細菌が増殖しやすくなり、インプラント周囲炎やそのほかの細菌感染のリスクが高まります。

保証が受けられない可能性がある
インプラント治療には、多くの場合5~10年程度の保証期間が設けられており、保証期間内にインプラントの不具合が生じた場合には、無償または通常よりも少ない額で再治療を受けることができます。
しかし、喫煙習慣がある方はインプラント周囲炎を発症するリスクが高まるため、多くの歯科医院では喫煙者は保証の対象外となっています。

治療期間が長期化する
喫煙者のインプラント治療は、非喫煙者に比べて治療期間が長くなる傾向があります。
例えば、インプラント手術の方法には、一度の手術で完了する1回法と、二度の手術が必要となる2回法があります。
健康状態が良く、骨や粘膜の状態に問題のない非喫煙者の方の場合、1回法が適用されることが多いですが、喫煙者の方の場合は傷の治りが遅く細菌感染のリスクも高いため、1回法ではなく2回法を採用することが一般的です。
2回法では、1回目の手術後約1ヶ月〜3ヶ月の治癒期間が必要となります。
非喫煙者でもインプラント治療が完了するまでには4ヵ月から6ヶ月ほどかかりますが、喫煙者の場合はさらに傷口の治癒が遅くなるため、インプラント治療が完了するまでに1年近くかかることも少なくありません。

 

口腔内や歯科治療に悪影響を与えるたばこの成分

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タール
タールは俗に「ヤニ」と呼ばれる、発がん性物質を含んだ有害物質です。
ヤニは粒子状であり、歯に付着すると表面を茶色く見せるだけでなく、表面がザラザラになることで歯垢が付きやすい状態を作ります。
歯垢の付着は、虫歯や歯周病のリスクを高めるほか、口臭も悪化させます。
加熱式たばこは紙たばこよりもタールの分量が少ないですが、それでもタールは含まれており、健康被害リスクは低減されていません。

ニコチン
ニコチンには血管を収縮させる作用があるため、栄養素・酸素・血液の流れが悪化するというリスクがあります。
また、血流が悪化して歯ぐきからの出血が少なくなることで、歯周病の初期症状である「歯ぐきからの出血」が起こりにくくなり、その結果歯周病になっていることに気付きにくくなるというリスクもあります。
さらに、ニコチンは唾液の分泌を抑えて口腔内を乾燥させることで、細菌の増殖を助長します。これにより歯垢や歯石が付着しやすくなり、虫歯や歯周病、口臭のリスクも悪化します。

一酸化炭素
喫煙によって生成される一酸化炭素は、細胞組織へ酸素を届ける働きを阻害します。
これにより、ヘモグロビン濃度が低下し、口腔内が貧血状態になることで歯ぐきが黒ずむというリスクがあります。
また、歯周ポケット内の酸素濃度が下がるため、歯周病菌が繁殖しやすい環境ができてしまうことも一酸化炭素のリスクです。

 

まとめ

武蔵中原の歯医者、中林デンタルケアークリニックで喫煙は口内にどんな悪影響を及ぼすかについての解説

たばこは、口内だけでなく、肺がんをはじめとするがんや、狭心症・心筋梗塞などの心臓疾患、気管支炎・気管支喘息などの呼吸器疾患などのリスクも増加させます。
たばこによる口内トラブルリスクを抑えるためには禁煙が望ましいですが、もし禁煙が難しい方は、定期的な歯科医院でのクリーニングや検査、日々のセルフケアを心がけましょう。

 



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