30代男性 唾液検査でお口の特徴を把握し、食生活やセルフケアを見直した症例

   

治療前

治療前 1回目の唾液検査の結果です。白い部分は虫歯菌を表しています。

治療後

治療後 2回目の唾液検査の結果です。虫歯菌が大幅に減少しました。
相談内容 「痛い歯がある。今まで虫歯になりやすかったので、これ以上虫歯になりたくない」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果 拝見したところ、治療が必要な虫歯が1本ありました。
毎日の食生活についてお伺いしたところ、500mlの清涼飲料水(スポーツドリンクやカフェオレなど)を水の代わりに1日かけて少しずつお飲みになることが多いとおっしゃっていました。また、寝る前のおやつなども頻繁にお召し上がりになっているようです。

歯磨きの頻度に関しては、「1日1回で、夜だけ磨くことが多い」とのことで、全体的に磨き残しが見られました。糸ようじなどの補助用具は、気になった時だけ使用されているとのことでした。
行った治療内容 虫歯の治療に加え、唾液検査でお口の中の特徴を確認し、食生活やセルフケアを見直すことで虫歯を予防する方法をご提案したところ、同意いただきました。
唾液検査は、採取した唾液を利用して、唾液の分泌量や成分、虫歯を進行させる「ラクトバチラス菌」の数を調べます。細菌数の測定では、細菌を繁殖させるための「寒天培地」に唾液を流し入れ、4日間培養させてから結果を確認します。

1回目の唾液検査では、お口の中の細菌数が多く、虫歯を予防する唾液の働きが弱くなっていることがわかりました。
細菌数が多いと、虫歯の原因であるプラークが歯の表面に付着しやすくなります。

細菌数を減らすために、1日2回の歯磨きと、1日1回の糸ようじの使用をご指導しました。
また、歯の質を強くする「フッ素」の入ったケア製品の使用をおすすめしました。

食生活習慣も改善の必要があり、清涼飲料水の代わりに砂糖を含まない水やお茶など虫歯になりづらい飲み物を摂取することで、虫歯予防につながることをお伝えしました。
また、唾液によってお口の中の汚れを流す力「緩衝作用」を引き出すため、間食の代わりに虫歯になりにくいキシリトール入りのガムを噛んでいただくことをご提案しました。
治療期間 2ヶ月以上
費用 唾液検査 5,000円
他、保険クリーニング代
虫歯治療代
ホームケア代など
術後の経過と現在の
様子
お伝えした改善方法を約1ヶ月間実践していただき、再検査を行ったところ、細菌数が初回よりも減少しました。
歯磨きは1日2回、糸ようじは1日1回行うことが習慣となりつつあるそうです。それに伴い、プラークも減少し歯の表面がより艶やかになっています。

食生活においても糖分の摂取方法に気を配るようになり、清涼飲料水の摂取がなくなりました。間食もダラダラ食べ続けないように意識されているそうです。
キシリトールガムは日常的に噛むことができているとのことで、患者様からは「これなら続けられそうです」との声がありました。唾液の緩衝作用はまだ十分ではないため、継続して噛むことをおすすめしています。

細菌数は1回目より減少していますが、まだまだ多いため、毎日のケアをしっかり行うことが大切です。
また、細菌が増えやすい特徴があるため、虫歯菌を抑制できるようフッ素配合のケア製品を引き続き効果的に使用していただくようお伝えしました。

唾液検査を受けていただいたことで、患者様のお口の健康への関心が高まったと感じています。
これからも定期的な検診でお口の状態を確認し、適切なケアを提供していきます。
治療のリスクについて ・お口の中の状態によっては、治療期間が長くなることがあります
・唾液検査前は注意事項の説明があります。また、普段のお食事についての簡単なアンケートに回答していただく必要があります
・細菌数の変化には個人差があります
クリニックより 虫歯のできやすさには「虫歯の菌の数」「食事の習慣」「歯を守る力」の3つが関わっており、これらを上手にコントロールすることで虫歯の予防が可能です。
虫歯になる人とならない人がいるのは、この3つの組み合わせが人それぞれ違うからです。
唾液検査で自分のお口の特徴を知った上で、生涯虫歯にならないよう自分に合ったケアで予防していきませんか?


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