むし歯は怖いですが、歯周病も怖い病気なのですか?
武蔵中原の歯医者さん、中林デンタルケアークリニックです。
今回のテーマは「歯周病という病気」です。
お口の中の病気といえば、むし歯と歯周病を想像する人が多いと思います。
これらを比較した場合、痛みを感じるむし歯は辛く、
一方で、痛みを感じにくい歯周病は怖くないと考える人がいます。
しかし、歯周病もむし歯同様、怖い病気だということを知っておきましょう。
歯周病とは
そもそも、歯周病とはどのような病気なのでしょうか。
歯周病とは歯を支える骨の病気で、これは歯周病が「歯の周りの病気」と考えると、イメージしやすいと思います。
歯周病菌に感染することで発症し、そうすると、歯と歯肉の間に歯周ポケットという溝が発生します。
ここで歯周病菌が繁殖すると、歯周病が進行していき、それに伴って歯周ポケットの溝も深くなるのです。
やがて、歯周病菌は歯を支える骨に悪さをするようになり、骨を溶かしてしまいます。
これによって、歯は支えを失って不安定になりますから、最終的に歯が抜け落ちてしまうのです。
歯周病が怖い理由
歯周病が怖い理由は、2つあります。
●歯を失う要因になる
●目立つ自覚症状がない
1つ目は、上記で説明したとおり、歯を失う要因になることです。
問題は2つ目の、目立つ自覚症状がないという点です。
むし歯のような辛い自覚症状がないことは、むしろ怖くない理由に思えるかもしれません。
しかし、自覚症状がないからこそ怖く、なぜなら発症に気づけないからです。
発症に気づけなければ、当然治療を受けることもないので、歯周病はどんどん進行していってしまいます。
歯周病の自覚症状
歯周病には、目立つ自覚症状はありません。しかし、全くないというわけではないのです。
歯周病が発症すると、次のような自覚症状が見られるようになります。
●歯肉が変色する
●歯磨きをした時など、歯肉から出血する
●口臭がする
●歯が伸びたように見える
●冷たいものがしみる
●歯が動く
歯肉の変色は、歯周病による炎症が原因であり、さらに細菌を駆除するために白血球が集まることから、
患部が刺激を受けると出血しやすくなります。また、歯周病が発症すると、お口の中で細菌が繁殖するため、
キツい口臭がするようになるのです。「歯が伸びたように見える」というのは、実際に伸びたわけではありません。
歯周病が進行することで歯肉が退縮、歯の根が露出することで、歯が長く伸びたように見えます。
そして、露出した歯の根はエナメル質で保護されていないため、冷たいものを飲食するとしみるのです。
さらに進行すると、歯を支える骨が溶かされることで、歯が不安定に動くようになります。
歯周病を治す方法
歯周病は、歯科医院で治療することができます。治療の基本は、お口の中を清潔にすることです。
お口の中に溜まった歯石を除去して、患者さん自身にもプラークコントロールを行ってもらいます。
ただし、歯周病の進行度によっては、歯周ポケットに溜まった細菌を除去できないことがあります。
その場合は歯肉を切開して、直接歯周ポケットの中を清掃して対処します。
また、歯槽骨が溶かされた場合は、自由診療になりますが、エムドゲイン法などによって再生を促すことも可能です。
一方で、保険診療の範囲では、溶かされた歯槽骨への対処は不可能です。
歯周病の予防方法
歯周病を予防するためには、次の3つの方法が効果的です。
●歯磨きの精度を高める
●生活習慣を改善する
●定期検診を受ける
基本は歯磨きの精度を高めることで、デンタルフロスや歯間ブラシを使うと良いでしょう。
生活習慣を改善する意味は、歯周病が生活習慣病だからです。
さらに、定期検診を受けていれば、自分では気づきにくい歯周病の発症も、医師が気づくことができます。
そうすれば、歯周病を早期治療できるため、重症化するのを防ぎやすくなるのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病という病気についてまとめます。
1. 歯周病とは :歯の骨の病気で、進行することで歯を支える骨を溶かしてしまうため、歯が抜ける要因になる
2. 歯周病が怖い理由 :歯を失う要因になることと、目立つ自覚症状がないことが理由
3. 歯周病の自覚症状 :歯肉が変色する、歯磨きの時に歯肉から出血する、口臭がするなど
4. 歯周病を治す方法 :基本はお口の中を清潔にすること。進行度によっては歯肉の切開が必要になる
5. 歯周病の予防方法 :歯磨きの精度を高める、生活習慣を改善する、定期検診を受ける
これらのことから、歯周病という病気について分かります。
歯周病の症状、歯周病が怖い病気である理由、歯周病の治療方法や予防方法などの説明をしてきました。
歯周病は、むし歯のように辛い痛みに苦しめられる病気ではありません。
むしろ自覚症状はないに等しく、その意味では怖くない病気に思えるかもしれません。
しかし、自覚症状がないに等しいからこそ、発症しても気づきにくく、そのため進行しやすいのです。
事実、歯周病は「静かなる病気」ともいわれており、歯を失う最大の要因となっているのです。
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