ムシバラスの仲間たち
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院長の中林です。
久しぶりのブログです。
以前、むしばの原因菌であるムシバラスについてお伝えしました。
今回はムシバラスの仲間たちについて少し詳しく紹介します。
代表的なものがミュータンス連鎖球菌です。
この菌は歯の表面にしっかり粘着して砂糖を食べて強い酸を出し歯の表面のエナメル質を溶解します。
口の中の多くの菌は酸性の環境では生活しにくいのですがミュータンスは酸性の環境が大好きです。
多数の菌が集合してカプセルの様な集落を作り唾液に拡散せずにエナメル質表面を溶かし始めます。
ですからミュータンス菌の数を検査により調べると虫歯のリスク(かかり易さ)が判るのです。
もうひとつのムシバラスの仲間はラクトバチラス菌です。
この菌は歯の表面にくっつく能力はありませんが食物中の糖や炭水化物を分解して強い酸を産生します。
歯の表面の溝や被せものの隙間に住んで悪さをするのです。
そこで検査をしてラクトバチラス菌の量を調べると虫歯発生の要因である口の中の清潔度や飲食回数のリスクを間接的に知ることができます。
予防歯科が発達して現時点では虫歯が発症するプロセスが解明されムシバラスの仲間たちの活動を捉えることができるようになりました。
彼らは単独では悪さをしません。
いくつかのリスク因子が重なると歯の表面を溶かしはじめます。
唾液検査により個人のリスク(虫歯の原因、虫歯発症の確率)までも判定できるようになりました。
検査結果をもとに、個人のリスクに合った虫歯予防プログラムを提言することができます。
今まで虫歯再発に悩んでいた方や歯に自信の無い方には唾液検査の受診をおすすめします。