歯周病で歯が抜けるって聞きましたが、若ければ抜ける心配はないですか?

   

歯周病は、進行すると歯が抜ける病気です。
いくら若くても歯周病が発症・進行する事があります。
進行すれば、歯が抜けてしまう事も、充分にあり得ます。
ですから、「歯周病は年を取ってからの病気だ」「若いから歯周病とは無縁」というのは間違った認識です。

成人の8割は歯周病の予備軍といわれています。
20代の若いうちから、歯周病予備軍である人も多く、歯ぐきに何らかしらの問題がある人は、20代でも7割居ると言われています。
また、若い人に発症しやすい「若年性歯周炎」という症状もありますので、覚えておくと良いでしょう。

また、女性の場合は、妊娠期に歯ぐきに炎症を起こしてしまう「妊娠性歯肉炎」も注意した方が良いでしょう。
妊娠し、「妊娠性歯肉炎」になった事がきっかけて、歯周病が悪化し、若いうちから歯が抜けてしまう事があります。

歯周病とはどのような病気なのでしょうか。
また、歯周病予備軍とはどのようなものか、若年性歯周炎・妊娠性歯肉炎とは何か、それぞれ詳しく解説していきたいと思います。

1. 歯周病とはどんな病気?

歯周病は、歯周病菌によって、歯を支える歯ぐきや、顎の骨(歯槽骨)が壊されていく病気です。
始めのうちは、炎症は歯ぐきに限局していて、歯ぐきが赤く腫れ、出血するなどの症状が出ます。
炎症が進むと、顎の骨(歯槽骨)が毒素によって溶かされ、歯がグラグラと動くようになります。
そして、放っておくと、最終的には歯が抜けてしまいます。
抜けてしまった歯は、残念ながら元には戻りません。

歯周病は、生活習慣病とも言われています。
歯周病菌の感染症であると共に、日頃のお口の清掃習慣・喫煙・ストレスなども影響しています。
若いうちからの生活習慣によって、ゆっくりと歯周病が進行していきますので、「まだ若いから大丈夫」という事はありません。
若いうちから、歯周病予防をしていく事が、歯周病の発症・進行の予防にとても重要になります。

2. 歯周病予備軍とは

歯周病予備軍は、成人の8割にもなるといわれています。
歯周病は、初期段階では、ほとんど自覚症状がありません。
歯がグラグラと動く頃には、かなり重度にまで進行している場合がほとんどです。
ですから、自分が歯周病に罹患している、もしくは歯周病予備軍である事に気がついていない人が多いのです。

「まだ若いから、歯周病の心配は無い」と思っている方も、次のような症状がある場合には、歯周病予備軍である可能性が高いです。
歯科医院で定期検診を受け、専門的なクリーニングを受ける事をおすすめします。

  1. 歯みがきの時に血が出る
  2. 歯ぐきが赤く腫れている
  3. 口臭が気になる
  4. 口の中がネバネバとする
  5. 硬いものが噛めない
  6. 歯がしみる事がある
  7. 痛みが出ない限り、歯医者に行く習慣は無い

3. 若年性歯周炎とは

「侵襲性歯周炎」とも言われる事があります。
10代〜20代に発症する事が多い歯周病です。
通常の歯周病よりも、進行速度が早く、治りにくいのが特徴です。
「若年性歯周炎」になると、20代の若いうちから、歯が抜けて入れ歯になってしまう事もあり得ます。

歯周病全体の8%程度と、少ないですが、発症すると進行が早く、あっという間に重度にまで進行してしまう事があります。
発症には、遺伝的要素もあるので、家族に若いうちから歯周病に罹患している人が居る場合には、特に注意が必要です。
歯ぐきに異常を感じたら、早めに受診をするようにしましょう。

4. 妊娠性歯肉炎とは

妊娠中は、エストロゲンやプロゲステロンといった女性特有のホルモンの分泌が盛んになります。
これらのホルモンを好む細菌が、お口の中で増殖し、「妊娠性歯肉炎」を起こします。
出産後、ホルモンバランスが落ち着くと、次第に歯ぐきの炎症も落ち着いてきますが、お口の中の衛生状態が悪いと、そのまま歯周病に移行してしまう事があります。

妊娠中は、つわりなどで、歯みがきが難しくなる事がありますが、出来る限りお口の中の衛生状態を保つ事と、歯科検診を受ける事が大切です。
妊娠中でも歯科検診は受診できますし、簡単な治療や歯のクリーニングは可能です。
妊娠をきっかけに、歯周病が進行しないようにしていきましょう。

5. まとめ

いかがでしたでしょうか。
歯周病が進行すると、若くても歯が抜けてしまう事があります。
歯周病は高齢者の病気ではありません。成人の8割が歯周病予備軍です。
歯ぐきに“出血”“腫れ”などの異常を感じたら、歯科医院で検診・クリーニングを受ける事が大切です。

「若年性歯周炎」の場合は、若いうちでも進行が早く、歯が抜ける可能性が高いです。歯ぐきに異常を感じたら早めに受診をするようにしましょう。

女性の場合は、「妊娠性歯肉炎」にも注意が必要です。
若いうちから歯周病が進行するきっかけになりやすいので、妊婦歯科検診を受けるなどして注意しましょう。

早いうちから、歯周病に対しての危機意識を持ち、歯周病予防を始める事で、この先長期に渡って、歯周病から歯を守る事につながります。成人したら、歯周病予防を始めましょう!



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