歯周病の治療はどのようなことをするのですか?
日本人の歯を失う要因の1位と言われるほど、歯周病は一般的な病気です。
しかし、痛みを感じない分、虫歯のように危機感を持たない人が多いのが事実ですし、
そもそも歯周病になっていることすら気づかないパターンもあります。
ここでは、そんな歯周病をテーマにして、歯周病をどうやって治療するのかを説明していきます。
1. 歯周病の初期段階
基本となるのはプラークコントロールで、これは患者さん自身が口腔内を管理することを示します。
ちなみに、プラークコントロールは歯周病治療の基本であり、どの段階においても必要になります。
単に歯磨きするのではなく、歯周ポケットを確実に綺麗にするなど、
デンタルフロスや正しい歯磨きの方法を知って実践する必要があります。
もちろん、これらについては歯科医から指導を受けることができます。
また、歯科医院で行う治療としては、こうした指導に加え、歯石の除去がメインになります。
歯石は歯磨きで除去できないですし、歯周病を進行させる大きな原因になります。
このため、歯科医院で口内のクリーニングを行い、プラークも含めて歯石を除去します。
2. 歯周病の中期段階
中期になると骨の破壊も始まりますし、歯茎全体が腫れあがった状態になります。
この状態になるとプラークコントロールだけでは対応できず、
歯石を除去しても歯肉の炎症は治まりません。
このため、必要な場合は歯周外科手術を行う必要が出てきます。
手術によって歯周ポケットの深さを改善させ、炎症も抑えることで治療が完了します。
ちなみに、初期段階では歯周ポケットの深さは4ミリに満たない数値ですが、
中期段階になるとこれが5ミリ~7ミリほど深くなっています。
この段階でも自覚症状がないことが多く、歯科医院に行かないと重度の段階まで進行してしまいます。
3. 歯周病の重度の段階
この段階になると骨が破壊され、その影響でグラつく歯も出てきます。
プラークコントロールや歯石の除去はもちろん行いますし、
中期段階でも説明した歯周外科手術も行うことになります。
また、状態によっては抜歯が必要なケースも出てくるため、歯を残せない可能性があります。
抜歯せずに治療できることもありますが、それは確実とは言えないため、
ここまで歯周病を進行させてしまうと、歯を失う覚悟をしなければなりません。
これは歯周病の最終段階であり、放置しておくといずれ必ずこの段階に辿り着いてしまうのです。
とは言え、自覚症状がなく気づきにくいため、歯科医院で定期健診を受けることをおススメします。
4. 治療よりも予防が大切
歯周病が進行すると、歯の骨がどんどん溶けてしまいますし、下がった歯茎は戻せません。
このため、歯周病は治療することよりも、そうならないように予防することが一番大切です。
ちなみに、歯周病の予防方法はシンプルで、歯磨きで口内を常に清潔に保つことです。
とは言え、適当な歯磨きでは効果ないですし、デンタルフロスなどを使うことも大切です。
また、歯周病で怖いのは自覚症状がないことです。
痛みがなければ歯科医院に行くことはないですし、歯科医院に行かなければ歯周病に気づけないのです。
気づいた時には重度の段階に至っていることも珍しくないですし、
それを防ぐ意味でも、定期的に歯科医院で定期健診を受けて、口内をクリーニングしてください。
5. 日常生活に潜む危険
歯周病はプラークがきっかけになりますし、歯石になることでさらにリスクが高まります。
最も、これは一般的な例であり、それ以外に日常生活にも歯周病の要因となり得ることがあります。
例えば、喫煙は歯周病の進行を早めますし、症状に気づくのが遅れる原因にもなります。
また、疲労やストレスも歯周病の進行と関わりがあり、
これらは唾液の分泌を低下させてしまうため、口内が洗浄されず、細菌が繁殖しやすくなります。
また、疲労やストレスは身体の抵抗力を低下させてしまうため、進行も早めてしまうのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病の治療はどのようにするかについてまとめます。
- 歯周病の初期段階 :プラークコントロール、歯石の除去が中心になる
- 歯周病の中期段階 :プラークコントロール、歯石の除去、必要な場合は歯周外科手術を行う
- 歯周病の重度の段階 :抜歯が必要になることもあり、歯が残せない可能性が出てくる
- 治療よりも予防が大切 :歯周病は自覚症状がなく気づきにくいため、予防することが一番大切
- 日常生活に潜む危険 :疲労やストレス、喫煙も歯周病の発症や進行に繋がる
これら5つのことから、歯周病の治療はどのようにするか分かります。
歯周病は治療することができますが、進行によってダメージを受けた歯茎や歯を戻すことは困難です。
このため、早期発見と早期治療が重要であり、そのためには歯科医院での定期健診が欠かせません。
自覚症状がない分、気づいた時には進行していたケースが多いので、予防が重要になってくるのです。
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