50代男性「顔が腫れた。噛むと痛くて辛い」 歯の周りに膿が溜まる「歯槽膿漏」が進行した奥歯を抜き、歯周病治療の継続により他の部位の炎症を抑えている症例
治療前
治療後
相談内容 | 「左上の歯ぐきがすごく腫れていて、歯が動く気がする。頬全体も熱っぽく腫れている。痛くて噛めない」とご相談いただきました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 仕事が忙しく、歯科医院にはいつ行ったか覚えていないそうです。 過去に一度、歯を支える組織に炎症が起こる「歯周病」になってしまったそうで、歯周病の原因となる歯石はその時に取ってもらったとのことでした。 症状が出ている歯は、隣の歯の歯ぐきまで赤くぶくぶくと膨れ上がっている状態でした。 歯を橋渡しのように補う「ブリッジ」で連結された被せ物が入っていましたが、歯の揺れが大きく、噛むと痛みが出る可能性が高い状態でした。 また、歯と歯ぐきの境目の溝である「歯周ポケット」がとても深く、歯を支えている骨もだいぶ減り、重度の歯周病・歯槽膿漏(しそうのうろう)になっていました。 |
行った治療内容 |
炎症が酷く痛みがとても強く出ている状態でした。噛むと当たって痛いのを取り除くために、まずはブリッジを外しました。 また、歯周病の治療に入る前に抗生物質と消炎鎮痛剤を処方し、炎症が起こっている歯の消毒をしました。 症状のある歯の歯周ポケットは10mm以上の深さがありました。 痛みを引かせた状態で別日に歯周病治療へ移行しました。 歯ぐきの腫れの原因は、歯に付いている歯垢や歯石、細菌です。原因除去のために歯周病治療は必要なので、ハミガキチェック、歯周ポケット内の歯石を取り除く「SRP(スケーリング・ルートプレーニング)」などをしっかり受けていただきました。 |
治療期間 | 5ヶ月 |
費用 | 保険適応 |
術後の経過と現在の 様子 |
ブリッジを外しただけでも少し楽になったそうです。顔の腫れは薬を飲み切る頃に引いたそうでした。 歯周病治療が終了するころには、全体的に歯ぐきも少しずつ引き締まってきて徐々に歯周病の炎症が治ってきています。 歯周病治療が終了した頃に新しい銀歯を入れる治療へ移行しました。しかしその半年後に、歯槽膿漏の歯はご本人の希望で抜歯になりました。噛むと揺れて痛みがでるのが嫌だったそうです。 抜いた歯を見ると根の先のほうまで黒い歯石がついているのが確認できます。歯科医院にご通院されなかった間に、歯ぐきの境目から奥へどんどん歯石が溜まり、歯周ポケット内で細菌が増えて歯周病が進行し、骨が減ってきたことが想像できます。 他の歯も同じ状態にならないように、丁寧なブラッシング、定期的な歯周病の検査、歯垢や歯石の除去の必要性をお伝えしました。 |
治療のリスクについて | ・病状、症状、患者様のお口の環境によって、複数回にわたる施術が必要となる場合があります ・治療が終わった後も、十分なセルフケアが必要です ・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、歯石の付着や虫歯が生じる可能性があります |
クリニックより |
歯槽膿漏、重度の歯周病まで進行してしまうと、歯を支えている骨が減っているので、歯周病の治療を行って炎症が治まっても、歯がぐらぐらするのは残ってしまいます。 歯槽膿漏の歯の歯周ポケットはとても深いです。奥歯は歯の根が複雑な形態です。そうすると単純な歯周病治療で歯石を完全に取りきることが難しくなってきます。 歯ぐきの切開などの外科処置をしなければ歯石を完全に取り除くのが難しく、外科処置をしても歯を長く残しておくことが厳しくなってきてしまう場合もあります。※当医院は歯周外科処置は行っておりません。 重度の歯周病は一度腫れや痛みが引いても、ぶり返すことが多いです。歯を温存するのは難しく、勝手に抜けてしまうこともあります。 歯周病は進行してから治療するのではなく、進行が始まる前から「予防」していくのがとても重要です。 |
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