ドライマウスを招く生活習慣と対策を解説
2025/11/20
こんにちは、武蔵中原の歯医者、中林デンタルケアークリニックです。
朝起きたときに口の中がネバネバしている、話しづらさを感じる、食べ物が飲み込みにくいといった症状に心当たりがある場合、ドライマウスが原因となっている可能性があります。
今回は、ドライマウスの基本的な知識や原因、自宅で実践できる対処法を解説します。
ドライマウスとは
ドライマウス(口腔乾燥症)は、唾液の分泌が減ることで口の中が乾きやすくなっている状態です。
一般的に、健康な成人は1日に約1.5リットルの唾液が分泌されていますが、ドライマウスでは唾液の量が減り、その作用が十分に働かなくなります。唾液の分泌が減ると、舌や粘膜にひりつきや乾燥が生じます。
さらに、口腔内の自浄作用が低下することで、虫歯や歯周病のリスクが高まり、口臭が強くなることもあります。
味覚の変化や食事の不快感によって、生活の質に影響を及ぼすこともあります。
ドライマウスの原因
加齢
加齢に伴い、唾液腺の機能は低下しやすくなります。
特に65歳を過ぎると、唾液腺の萎縮や細胞機能の衰えにより、唾液の分泌量が減少していきます。
また、高齢になるほど服用する薬の種類や量が増える傾向があり、その副作用によってもドライマウスのリスクは高まります。
薬の副作用
一部の医薬品には、唾液の分泌を抑える副作用があります。
例えば、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬、利尿薬などは、自律神経に作用して唾液腺の働きを弱めることがあります。
これらの薬を複数服用している場合は、唾液分泌への影響がより強く現れやすくなります。
病気
いくつかの疾患が、ドライマウスの原因になることがあります。
代表的なのは自己免疫疾患のシェーグレン症候群です。唾液腺や涙腺が慢性的に炎症を起こすことで、唾液の分泌が著しく低下します。
また、糖尿病では高血糖による脱水が生じやすく、甲状腺疾患や腎疾患、肝疾患なども、間接的に口内の乾燥につながる場合があります。
生活習慣・ストレス
慢性的なストレスは自律神経のバランスを崩し、唾液の分泌を抑えることがあります。
また、不規則な食事や睡眠不足、運動不足なども、唾液腺の働きに影響を及ぼすことがあります。
ドライマウスを招く生活習慣とは
喫煙
喫煙は、ドライマウスを招く生活習慣の一つです。
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、唾液腺への血流を減らすことで、唾液の分泌を低下させます。
喫煙による口腔内の温度上昇やタールによる粘膜の炎症も、口の乾燥を強める要因になります。
飲酒
飲酒も、ドライマウスの原因になります。アルコールには利尿作用があり、体内の水分が失われることで脱水状態になりやすくなります。
さらに、アルコールが口腔内の粘膜を刺激して炎症を起こすこともあります。
カフェイン
コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェインは利尿作用により体内の水分を減らし、口の乾燥を招くことがあります。
1日のカフェイン摂取量が多く、口内の乾燥も感じる場合には、摂取量を見直したり、摂取後に水分を補ったりするようにしましょう。
口呼吸
口呼吸も、ドライマウスの一因となります。
鼻詰まりや日ごろからの習慣により口呼吸が続くと、乾いた空気が口の中を通るため、唾液が蒸発しやすくなります。
特に睡眠中の口呼吸は、長時間にわたり口内が乾燥することで、朝の口の乾きや不快感が強まります。
会話の減少
リモートワークの普及や人との接触機会の減少で会話が少なくなると、唾液腺への刺激が不足し、唾液の分泌量が減ることがあります。
噛む回数の減少
よく噛むことは唾液腺を刺激し、唾液の分泌を促します。
一方で、早食いやあまり噛まずに飲み込む食べ方では、この刺激が十分に得られません。
これらの傾向がある方は、噛む回数を意識的に増やすことが大切です。
自宅でできるドライマウス対処法
加湿器を置く
室内の湿度を適正に保つことは、ドライマウス対策の基本です。
特に冬は暖房により湿度が低下しやすく、口の中が乾きやすくなります。
湿度50〜60%程度を維持するために、加湿器を利用したり、濡れたタオルを干したりしてみましょう。
噛む回数を増やす
食事の際に咀嚼回数を意識的に増やすと、唾液腺が刺激され唾液の分泌が促されやすくなります。
一口あたり30回程度を目安によく噛むようにしましょう。
根菜類や玄米、ナッツなど歯ごたえのある食品を取り入れると、自然に咀嚼回数を増やすことができます。
就寝前に水分補給をする
就寝前にコップ一杯ほどの水を飲んでおくと、夜間の脱水を防ぐことができ、朝の口の乾きもやわらぎます。
ただし、飲みすぎると夜間の頻尿につながるため、量には注意が必要です。
口周りのトレーニングをする
口周りの筋肉を動かす練習も、唾液の分泌を維持するために役立ちます。
「あ・い・う・え・お」と大きく口を動かしてみたり、舌を前後左右に動かしたりすることで、口周りの筋肉や唾液腺が刺激されます。
キシリトールガムをかむ
キシリトール入りのガムを噛むことも、唾液の分泌を促す方法です。
噛む動作によって唾液腺が刺激され、口の中の潤いを保ちやすくなります。
砂糖を使わないシュガーフリータイプを選び、1日数回、10分ほど噛むと、唾液の分泌が助けられます。
鼻呼吸を心がける
口呼吸を鼻呼吸に切り替えることは、ドライマウスの改善に欠かせません。
日中は意識して口を閉じ、鼻で呼吸するよう心がけましょう。
鼻を通る空気は自然に加湿されるため、口の中の乾燥を和らげることができます。
睡眠中に口呼吸をしてしまう場合は、市販の口テープを使ってみるのも一つの方法です。
ただし、鼻づまりがあると鼻呼吸が難しいため、その場合は耳鼻咽喉科での治療を受けることが先決です。
まとめ
喫煙、飲酒、過度なカフェイン摂取、口呼吸、会話の減少、噛む回数の減少などの生活習慣は、気づかぬうちにドライマウスを悪化させることがあります。
一方で、室内の加湿、咀嚼回数の増加、こまめな水分補給、口周りのトレーニング、キシリトールガムの活用、鼻呼吸の習慣化などで症状の改善が期待できます。
症状が強い場合や改善が見られない場合は、歯科医師に相談し、診断と治療を受けるようにしましょう。
中林デンタルケアークリニック:https://naka-dent.com/
〒211-0041 神奈川県川崎市中原区下小田中1-20-7
電話:044-766-0970
交通アクセス
電車でお越しの方:武蔵中原駅より徒歩5分
お車でお越しの方:無料駐車場有
